ピリ・Ça va備忘録

ピリッと,Ça vaサバっと暮らしている日々の備忘録

この1年

お題「#この1年の変化

 まさか生きている間にこんなことがあるとは思わなかった。マスクだけでなく石鹸も消毒液も棚から姿を消した。使い捨てのマスクを洗いながら過ごすなんて。仕事では,コロナに関する大量の書類に埋もれた。夜の8時に100枚もの書類。

 でも,はじめのパニックが過ぎたら平穏な日々がやってきた。無駄な集まりは行われないし,気の進まない飲み会もない。とにかく集まらない。仕事もやることがないから早帰りとなった。淡々とすぎる毎日に職場では不満の空気も流れたがどうしようもない。毎日早く帰るので,へとへとになった頭が受け付けなかった読書ができるようになった。小説を何冊も読めた。自分のためのちょっとした文章も書けるようになった。コロナのおかげで自分のための時間が蘇ったんだ。無駄が削ぎ落とされて,自分の中で失っていたものが復活した。

 ニュースへの違和感はいよいよ強くなった。孤独と断絶が強調されすぎている気がした。自分と同じように作為的に作られる世論の呪縛から逃れて目が覚めた人だっているんだと思う。何をやっても愚策と騒ぎ,とにかく「悲鳴」が強調された。世の中には悲鳴と文句が溢れていることになっていたが,自分の身の回りではそんなことはなかった。淡々と耐え,限られた条件の中で楽しみを見つけていた。

 くどくどと述べないが,「無駄なもの」が何か理解できた1年だった。不安と付き合いながら楽しみを見つけた1年だった。不満と不安を撒き散らすことは愚かだとわかった1年だった。よい1年だった。